過去のデータ把握で、エバーグリーンコンテンツ戦略を立案

By NICK LIOUDIS

「エバーグリーンコンテンツ」は、世界中のパブリッシャーでますます注目されるようになっています。たまに「ソンビ記事」とも呼ばれる、これらコンテンツを中心に戦略を構築することで、新しい読者を獲得したり、時間をかけてロイヤルティの高いユーザーを生み出したりして、あなたの目標に近づけられます。

以下では、ヒストリカル・ダッシュボードで文脈を得た過去のインサイト(本質的な要因)で、リアルタイムのデータを補完して、記事配信の戦略でエバーグリーンやその他のタイプのコンテンツを最適に組み合わせる方法を紹介しましょう。

先を見通す過去分データの見方

リアルタイムの情報は、コンテンツの注目度と読者のエンゲージメント(メディアやコンテンツに対する興味や結びつき)を維持するために必要な調整をする重要なきっかけを即座に提供します。そして、以前の成功や失敗にこだわらず、過去の文脈を明確にすることが重要です。つまり、エンゲージメントの主要因を特定しつつ、前に進む道筋をつけるわけです。

目標の設定から始めましょう。そのためには、次のような短期的な戦略と、長期的な戦略の両方の構築が重要です。

  • 組織またはチーム全体に関連するKPIを使用する
  • 長期的なエンゲージメントの成長に直接関与する要因とロイヤルティに焦点を当てる
  • 業務フローへ簡単に組み込める
  • 日次、週次、月次など、自分の組織の進め方にあう期間でコンテンツのパフォーマンスを評価する

最後は重要なポイントです。パフォーマンスを評価する最適な期間を、戦略を構築しながら突き詰めてみましょう。

コンテンツのカレンダー作りに役立つ過去データの分析

エバーグリーンやそれ以外の特有な性質のコンテンツ制作では、過去分析の頻度について判断する必要があります。1日にいくつかの記事を公開している場合、「パフォーマンス履歴」は日次や週次で把握したほうがいいかもしれません。一方、記事を週に1回以下で公開しているなら、月次レビューの方が読者エンゲージメント戦略がどの程度効果を上げているかを把握するより良い指標でしょう。

コンテンツ分析の期間を決めたら、下記が定期的なパフォーマンスを振り返ってチェックするコツです。

1. 日次のデータ振り返り

日常的には、タイミングやそれぞれの読者の反応が、あなたのチームに最も豊かなインサイトを提供してくれるかもしれません。例えば、Chartbeatのヒストリカル・ダッシュボード(下図)は、以下のような日々の疑問に答えるのに役立ちます。

  • 特定の時間帯は、他の時間帯よりも多くの読者がいる?
  • デスクトップやモバイルのユーザーに配信する適切なタイミングはいつ?
  • 流入データは、ソーシャルメディア投稿の最適なタイミングがいつだと言っている?

上記の質問の答えを見つけることで、エンゲージメントを高める迅速な調整ができ、より深く分析する時間を確保できます。

2. 週次のデータ分析

次のような追加の配慮をしつつ、上記と同様の考え方を週次にも適用しましょう。

  • 月曜日、金曜日、日曜日の読者行動の傾向は?
  • 重要な読者層(例:モバイル読者やロイヤル読者)のエンゲージメントに寄与する、あるいは寄与しないコンテンツはどのような種類?
  • ある日のあるタイミングで、読者が少ない、もしくは多い共通点はある?
  • 時間や頻度などの配信スケジュールは、サイト全体のエンゲージ時間や回遊率にどう影響を与えている?

週次のインサイトは、読者がもっとも求めている時間帯やプラットフォームに合わせて、クロスチャネルのコンテンツを事前に計画するのに役立ちます。

3. 月次のデータ振り返り

半年または四半期の目標に向けて進捗状況を追っている場合でも、月次でKPIを理解すれば上記のすべてをまとめられます。そうすれば、次のような質問群をカバーできます。

  • 自分やチームは月次指標の目標を達成したか?
  • どのチャネルがサイトに最も多くのトラフィックをもたらした?
  • どのセクション、著者が自分のKPIを上回った?
  • 今後のコンテンツ企画の参考になる、再浮上した「ゾンビ」コンテンツのようないつもの傾向と異なる結果はあったか?

1か月分のデータを振り返りで、目標の達成で必要な調整を理解するのに十分な視点を得られます。また、より注目を必要とするコンテンツやチャネルにリソースを再配分する決断にもつながります。

覚えておきたいポイント: 過去データを行動につなげる

Chartbeatのユーザーは、ヒストリカル・ダッシュボードを使用して、これまでに説明した戦術で、日次、週次、月次のインサイトをチーム全体に提供できます(インサイトはレポート機能で提供してます)。これは誰でも以下の手順を踏むことで、データに基づいた計画とエバーグリーンコンテンツ戦略をニーズに合わせて調整できます。

さあ、データの分析を始めましょう。上で説明した戦術に基づいて、実行可能な次のステップをいくつかご紹介します。

1. コンテンツ全体の傾向を把握する

あなたにとって重要な日次、週次、月次の期間で、チャネル全体のデータからいつもの傾向と異なる結果を探しましょう(例えば、ソーシャルトラフィックのピークは朝か夕方か? 1週間を通してどうでしょう?) 。

¥次に、さまざまなセグメントの最近のトラフィックとエンゲージメントを、過去のデータと比較し、期待を上回る、あるいは下回るパフォーマンスの値やトレンドを特定して、長期的な学習を加速させます。

2. 成功するための読者の特徴と行動特性を構築

自動生成されたインサイトバッジ(例:「High Social」=ソーシャルメディア流入が顕著、「High Search」=検索流入が顕著、「High Mobile」=モバイルのアクセスが顕著)を確認することで、チャネルをまたいだすべての優れたコンテンツを取りまとめられます。

これにより、話題やタイミング、語り口の種類が、より多くのエンゲージメントにつながったかどうかを確かめられる段階に進められます。結果を記録しておくことで、将来の成功に向けてコンテンツを方向付けるための読者の特徴と行動特性を構築できます。

3. 戦略の実行に、それら読者の特徴と行動特性や他のきっかけを使う

本来届くべき読者に届いていない、エンゲージ時間が長く質の高い記事があったことがわかるようになるでしょう。エンゲージ時間が長いのにページビューが少ないケースです。

通常なら注目を集めるのに期待に反してパフォーマンスが低かったコンテンツであれば、選択肢があります。このような場合、新たな視点でチャネルを変えて再度プッシュすることを検討してみましょう。また、すぐにインサイトを得たい場合は、戦略がどのように展開されているかをリアルタイムで確認できます。

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