2021年で最も読まれた記事
2021年版の「最も読まれた記事(The Most Engaging Stories)」は、1年間で読者を魅了した素晴らしいジャーナリズムへの賛辞です。また、新型コロナウイルスの世界的流行がもたらす障害があるなか、私たちに情報を提供し、関心を持たせ続けているすべてのジャーナリストに敬意を表するものでもあります。
今年は、私たちのネットワーク全体で最も魅力的な記事を伝える報道を称える形式に戻しています。昨年ご紹介していた、常にページの情報を更新して伝える「ライブブログ」や「インフォグラフィック」も引き続き重要ですが、政治と新型コロナウイルスという2つの主要なテーマで昨年同様、ランキング形式で発表します。
今年、総エンゲージ分が最も長かった記事は、ワシントンポストの「‘I just want to find 11,780 votes’: In extraordinary hour-long call, Trump pressures Georgia secretary of state to recalculate the vote in his favor」です。この記事は、今年のランキングにおける政治記事の密度だけでなく、2020年末に発生したニュースが2021年の第1四半期にわたり読み続けられたことを示しています。2番目に読まれた記事「Comparing the Covid-19 vaccines developed by Pfizer, Moderna, and Johnson & Johnson」は、進化する公衆衛生状況が2年連続でどれだけの注目を集めたかを予見させるものです。
このランキングは、無視できない記事だけでなく、ジャーナリストの取材により明るみになった記事も含まれています。この1年のすべてをご紹介します。
2021年のエンゲージ記事トップ10
- The Washington Post | ‘I just want to find 11,780 votes’: In extraordinary hour-long call, Trump pressures Georgia secretary of state to recalculate the vote in his favor
- STAT | Comparing the Covid-19 vaccines developed by Pfizer, Moderna, and Johnson & Johnson
- Politico | We feel incredibly betrayed’: Thousands of Guardsmen forced to vacate Capitol
- BBC | We found a baby on the subway – now he’s our son
- Politico | Trump went ‘ballistic’ after being tossed off Twitter
- CNN | Trump’s last-minute pardons include Bannon, Lil Wayne and scores of others
- CNN | A timeline of 22-year-old Gabby Petito’s case
- Politico | A New Darkness Falls on the Trump Movement
- The New York Times | Pence Reached His Limit With Trump. It Wasn’t Pretty.
- CNN | US Capitol secured, 4 dead after rioters stormed the halls of Congress to block Biden’s win
2021年の最も読まれた記事のすべてを見る(英文)
最も多くのエンゲージメントを得たトピック
2020年のランキングで重要な位置を占めた記事や人物は、2021年に多くのエンゲージメントを獲得しています。私たちの以下のデータ分析が示す通り、2021年1月6日の暴動、米国大統領選挙後の政権移譲、ワクチンニュースの報道がそれに当たります。
- 読者は120億分以上、政治の話題にエンゲージ
- 新型コロナウイルスのコンテンツは、1日平均約2200万分のエンゲージ時間を記録
2020年から続く流れで、1月は1年で最もエンゲージメントの高い月となり、次に近い数値を示す月よりも40億分もエンゲージ時間が長くなっています。1年を通じて、新型コロナウイルスの流行で影響で実生活情報が弱含みのなか、重要な健康情報ニーズに向き合うときに高いエンゲージメントを維持しています。「vaccine(ワクチン)」がMerriam-Websterの「2021 Word of the Year」に選ばれるのも不思議ではありません。
暴力と不安
旅行系人気インフルエンサーGabby Petitoとその婚約者Brian Laundrieの捜査、俳優Alec Baldwinが撮影現場で銃を誤射したことによる悲劇、BoulderとIndianapolis、Kenoshaでの銃乱射事件など、銃と暴力にまつわる速報ニュースは、見逃せない読者を引き付け続けました。
人間を感動させる
重苦しいことばかりではありません。速報性の高いニュースの中で、普通の人々が信じられないほどの強さと回復力を発揮する記事も、多くの読者を獲得しました。今年最も読まれた記事の第4位は、「We found a baby on the subway – now he’s our son.」でした。さらにその下には「San Francisco Giants outfielder Drew Robinson’s remarkable second act」と「Nil-by-mouth foodie: The chef who will never eat again」がランキング入りしており、丁寧に報道する人情記事が常に読者の共感を呼ぶという普遍的な考え方を強く示唆しています。
日本国内メディアでは、NHK NEWS WEBの「なぜ彼女が… ホームレスの死が問いかけるもの 東京・渋谷のバス停で事件」が70位に並んでいます。
「最も読まれた記事」の決定方法
定量的な要素
Chartbeatのデータサイエンスチームは、2021年に公開した3300万件のコンテンツ(3680億分のエンゲージ時間)を分析しました。その後、上位1000記事を総エンゲージ分数※で並べ替え、個別にレビューと分類をして、以下に概要を示す一連の定性的基準に基づいて110記事に絞り込みました。
総エンゲージ時間の計算方法
総エンゲージ時間は、訪問者が積極的にページを読み、触れた時間の合計です。[エンゲージメント指標の詳細をご覧ください]。
質的な要素
Chartbeat社内の読者やキュレーター(多くはジャーナリストや編集者の経歴あり)からなる部署横断チームを結成し、今年のランキング基準を決定しました。私たちは、「総エンゲージ分」だけでなく、独自性ある報道の評価を確実なものにしたいと確認したいと考えました。さらに難しかったのは、ランキングに含めない記事の基準を次のように決定することでした。
- 48時間以上、複数のニュースサイクル(速報、市民の反応、公式発表など一連の報道)でコンテンツを組み立てるライブブログ報道
- 出典元なしに再公開した転載やアップロード済み文書の集合体
- ソーシャルメディアの再投稿や画像が主たる要素となる記事
- スポーツの試合結果、成績データ、個人のリーグ順位
- 報告を含まない、または年間を通じて継続的に更新されるクイズやインタラクティブなコンテンツ
※編集注:エンゲージメントデータは2021年12月17日に集計したものです。この日以降の記事へのトラフィックは、ニュース速報の影響を考慮し、引き続き検証していきます。
Chartbeatでコンテンツの貢献度を分析しせんか?
- フォームでお問い合わせ
- 電子メールでお問い合わせ ( chartbeat@ximera.jp )